E Pili Mai エピリマイ 歌詞/訳と解説

E Pili Mai

by Kealiʻi Reichel  
(↓Nāpua Greigバージョンはこの下です)

ʻAuhea wale ana ʻoe
Where are you
君よ、聞いてほしい

Kuʻu lei o ka pō
My sweetheart of the night
僕の愛しい夜の花

Pō anu hoʻokahi nō wau
The night is cold and I am alone
夜は肌寒く、僕は一人きり

Sweetheart mine
愛しい君よ

E pili mai
Come to me
僕のそばにおいでよ

<chorus>
Inā ʻo ʻoe a ʻo wau
If you and I are together
きっと君と僕となら

ʻIke i ke ahi o Makana
We’ll know the fires of Makana
マカハの火さえも理解できる

He makana ia na ke aloha
It would be a gift given of love
それは愛からの贈りもの

No nā kau a kau
For all time
たとえ幾つ季節がめぐろうと

ʻO ʻoe a ʻo wau
You and I
ずっと君と僕

Sweetheart mine
愛しい君よ

E pili mai
Come to me
僕のそばにおいでよ

 

↑ E Pili Mai By Kealiʻi Reichel


↓ E Pili Mai by Nāpua Greig

 
ʻAuhea wale ana ʻoe
Listen now, this is dedicated to you
君よ、聞いてほしい

Kuʻu lei o ka pō
My lei of the night
僕の愛しい夜の花

Pō anu hoʻokahi nō au
A chilly night to be sure as I am alone
夜は肌寒く、僕は一人きり

Sweetheart mine
O Sweetheart mine
愛しい君よ

E pili mai
Come close to me
僕のそばにおいでよ

<chorus>
Inā ʻo ʻoe a ʻo wau
If only you and I
ねえもしも君と僕が

ʻIke i ke ahi o Makana
Could see the fire brands o Makana
あのマカナの火を見れたとしたら

He makana ia na ke aloha
It would be a gift for lovers alone
きっとそれは愛からの贈りもの

No nā kau ā kau
For all eternity
たとえ幾つ季節がめぐろうと

ʻO ʻoe a ʻo wau
You and I
ずっと君と僕

E sweetheart mine
O Sweetheart mine
愛しい君よ

E pili mai
come be with me
ふたり寄り添おう

 

Kau mai ana ka ninipo
Intense yearnings fill me
込み上げてくる熱い想い

E hoʻi mai nō kāua
Return to me
二人あの頃に戻ろう

Eia iho i ka manawa ē
Here deep in my heart
今も僕の心の奥底は

Polinahe
Is love’s gentle touch
甘く優しい想いで溢れる

E kuʻu ipo
O my darling one
ああ愛しい君よ

 

Me he ahi ke kukuni lā
Like a flame it sears
まるで燃え盛る炎のよう

Ke kiʻina a ka ipo
This is love’s magic
そして君が受け止める、、

Hōʻale nei ke aloha lā
Stirring warm affections
とめどなく押し寄せる熱い想い

Naʻu ʻoe
You are mine
君は僕だけのもの

A mau loa
Now and forever
いつまでも永遠に

<chorus>
Inā ʻo ʻoe a ʻo wau
If only you and I
ねえもしも君と僕が

ʻIke i ke ahi o Makana
Could see the fire brands o Makana
あのマカナの火を見れたとしたら

He makana ia na ke aloha
It would be a gift for lovers alone
きっとそれは愛からの贈りもの

No nā kau ā kau
For all eternity
たとえ幾つ季節がめぐろうと

ʻO ʻoe a ʻo wau
You and I
永遠に君と僕

E sweetheart mine
O Sweetheart mine
愛しい君よ

E pili mai
come be with me
ずっと寄り添っていよう

 

Ei nei
恋人よ

Wooo sweet memory
なんと甘く優しい記憶

E kuʻu morning dew
僕の愛しい朝の雫

Alia mai
待っておくれ

E sweetheart mine
大切な君よ

E pili mai
どうか僕のそばにいて
 
 


E Pili Mai | Written by Peter Moon/Larry Linsey Kimura
日本語訳はハワイ語を優先しているため、英語の意訳と大きく違う箇所もあります。それぞれの英訳も同時に参考にして下さい


歌の背景

Aloha mai kākou!

さて、今回のエピリマイは、昨年まるで互いの後を追うかのように、立て続けにこの世を去った ピーター・ムーン氏と シリル・パヒヌイ氏の作曲(一般的には前者のみへのクレジット)、作詞は今日「ハワイ語の父」*1 と称される ラリー・リンジー・木村氏によるものです。

後に ケアリイ・レイシェル氏がカバーし、2004年、その収録アルバム Keʻalaokamaile がグラミー賞にノミネートされたことで、ハワイ内外を問わず広く知られるようになりました。

さらに2012年暮れには、ラリー木村氏の親族*2 でクムフラの ナープア・グレイグ氏がフラ競技のために依頼したことにより、これまで1番しかなかった歌詞に、新たに2番と3番が書き加えられ、そして翌年春、これを踊った マナラニ・イングリッシュさんが、見事に ミスアロハフラ の栄冠を勝ち取りました💕

日本で人気のあるクムフラ・ミスアロハフラのコンビなので、多くのハウマーナさんはきっとご存知ですね(o^.^)v
 

さて、実はこのナープアさんのエピリマイには、ミスアロハフラの演技でも使われた、同じくラリー木村氏作詞の E Kuʻu Morning DewSweet Memory の2曲が、曲の最後にミックスされており、曲全体も同様のアレンジで従来のエピリマイより明るい感じとなっています。

ビジュアルのほうも、幸せに満ちた表情の男女の姿が映しだされ、これまでの寂しい夜のイメージから、明るい朝の陽ざしへとストーリーが展開され、幸せ感溢れる作品になっていて、視覚と聴覚両方で心が満たされてしまうためか、私自身、音源がスマホに入っているのに、YouTubeの動画を何度も観に行ってしまってます。。
アーティスト本人、ダンサー、女優・男優さんと3つのシーンが交互に映し出され、女性のお色直し?まであるので、ちょっと忙しいといえば忙しい動画なんですが (^^;)

でも E Kuʻu Morning Dew と Sweet Memory はあくまでもエピリマイとは全く別の曲。個人的には、本来作者がこの歌に託したのは、穏やかで幸せ感溢れる想いよりも、寒く寂しい夜に 熾烈に燃える炎のような想い だったように思います。

また、ナープアさんの曲は、ケアリイさんのものと サビの出だし部分の解釈が異なっています。

おそらくフラの振り付け上必要となるため、作者に確認されたのでは、、と想像しますが(あくまでも想像です)、いずれにしても、どちらの解釈でも文法的におかしくはなく、、
これはイントネーションや、どこで文章を区切るか、また主語や接続詞が脱落しているかなどにより意味が変わるためで、日本語の「~であろうか?」が単なる疑問なのか、反語なのか、話し手の語感や前後の文脈なしには解釈できないのと似ています。

という訳で、作者が本来意図するところはもちろん重要なのですが、、
文学作品としてでなく、音楽として聴く場合、歌い手(演奏する側)がどのような気持ちで歌うかが、聴き手にはさらに重要だとも思いますので、今回は敢えて両方の歌詞を個別に訳しています 🙂

歌の意味と解説

さて、曲のタイトル エピリマイ (E pili mai)
pili が「ぴたっとくっつく、または、くっついた状態でいる」という意味で、エピリマイは

「そばにおいでよ、側にいてよ、寄り添おうよ(寄り添っていようよ)、一緒にいようよ」

といったニュアンスになります。

またこの歌は、その穏やかな旋律に反して、とても情熱的な内容となっていて、特にサビ部分で繰り返される マカナの火 に熱い想いが託されています。

この「マカナの火」は、カウアイ島ノースショアにあるピラミッドの形をしたマカナ山 (通称バリハイ) で行われていた ʻŌahi o Makana (マカナ山の オーアヒ、または Ahi Lele o Makana) と呼ばれる 古代ハワイの祭事 のことで、王族が修行を終えた時や、この地を来訪した際の祝賀として、また、地元の伝統的なハーラウ・フラの卒業セレモニー(ʻUniki)として執り行われていました。

険しく切り立った断崖に、海からの向かい風が強く吹きつけることで有名なこの山の頂きから、乾燥させて軽くした薪木に火をつけて、新月の夜 の海に一斉に放ち、それをカヌーで沖に集まった人々がキャッチするという、現代でいうところの 花火大会+スポーツ のようなイベントで、崖下のビーチには王族たちが夜を明かすための陣営がはられ、火の粉を放ちながら風にのって夜空に舞い上がり、時には1.5kmも離れた沖までゆっくりと弧を描いて落ちていく松明の花火 (Ahi Lele) を楽しんだそうです。

 
そしてこの松明をキャッチして負った火傷こそが、その者の果敢さを示す勲章であり、
同時に、恋人たちにとっては
自らの愛の証となり、愛の告白と互いへの誓い
を意味するものとされていたそうです。

きっとオーアヒの夜の恋人たちは、
闇空に燃え盛り、火花を散らし舞い落ちてくる炎に、自らの心の炎を重ね見て
 
あなたへのこの想いがあれば
どんなに熱い炎をも受け止められる
この体に刻印として焼きつけてみせる
それがあなたへの愛の証となるなら

そんな想いで松明を受け止めたのかもしれませんね💕
 

サビの部分で
(こちらはケアリイさんの方の解釈です)
 

きっと君と僕となら
あのマカナの火のこともよくわかる
Inā ʻo ʻoe a ʻo wau, ʻike i ke ahi o Makana

と歌われているのは、
愛を誓うために自らの皮膚を焼くというこの無謀な行為が
他ならぬ君と僕ならきっとよく理解できる、、
という意味で、互いが互いへ強い想いを抱いていたこと、そして今もそれを疑わない作者の気持ちが滲み出ていますね。

そして彼は、
 

それ(マカナの火)は、愛からの贈りものなんだ
He makana ia na ke aloha

と続けます。

愛からの贈りもの、すなわち 愛を知った恋人たちだけが知ることのできるもの という事ですね。

ちなみに、マカナ とはハワイ語で 贈りもの という意味で、このマカナのオーアヒそのものが、愛がもたらすマカナ(贈りもの)なんだ、と意味をかけて詩っているんですね💡

一方、ナープアさんのサビの解釈は、「もしも二人がマカナの火を見れるとしたなら、きっとそれは愛からの贈りものだ」ですね(o^.^)v
 

また、この「もしも君と僕となら (Inā ʻo ʻoe a ʻo wau) 」の 君と僕 (ʻo ʻoe a ʻo wau) には、
それが 他でもない 君と僕となら
というニュアンスがあり、その後の「永遠に、君と僕 (No nā kau ā kau, ʻo ʻoe a ʻo wau) 」の「君と僕」も、
幾つ季節がめぐろうと 他の誰でもなく 僕と君が、、
君と僕だからこそ 永遠なんだ、、
 
、、と、とても短い語句の中に深い意味合いが込められています。
 

さらに、2番の
 

今も僕の心の奥底は、甘く優しい想いで溢れる
Eia iho i ka manawa ē, polinahe

の polinahe も「(風や音色などが)心地よく甘く漂う、優しくそよそよとなびく」といった意味の言葉ですが、ここでもこのたった一語で、人を愛する時の穏やかな優しい気持ちが表現されています。

あのきっと誰もが一度はおぼえる、好きな人を思うだけできゅん♡と心が温かくなる 穏やかな優しい感触、甘く優しい気持ち のことですね。

君を想う時、今でも僕の心の奥底は、
優しい穏やかな気持ちでいっぱいなんだ (polinahe)
そういう想いが、ほら今もこうしてこの胸に宿っているんだよ (Eia iho i ka manawa ē)
と表現しています。
 

そして、いよいよ3番では恋人とのマカナのシーンが描かれています。

※この曲は男女どちらの目線でも歌えます。日本語は男性の目で訳をしていますが、この3番の最も情熱的なシーンについては、2、3番が女性の踊り手のために書かれたという事もあり、女性の気持ちとして捉えたほうがしっくりくるように思うので、この部分の解説は女性の目から見た 表現にしますねm(__)m

 

まるでそれは炎のよう (に燃えて)
Me he ahi ke kukuni lā

そしてそれを受け止めるあなた、、
Ke kiʻina a ka ipo

とめどなく熱い想いが押し寄せ、、
Hōʻale nei ke aloha lā

と始まるこの冒頭部分では、

「見上げた夜空には真っ赤な炎が広がり
そしてそれを、あなたが受け止めた…!
私は愛しい想いでいっぱいになり、、」

といった作者の心に堰を切ったように渦巻き、溢れ出した想い が歌われています。
 

ちなみに、松明の「燃えるような炎」はおそらく「愛の炎、自らの燃える体」の揶揄表現で、さらに kiʻina は「捉える、キャッチ(する)、掴む(こと)、捕獲」という意味の単語ですが、実は男女の意味合いにも使われるので、ke kiʻina は恋人に捕えられたこと、すなわち「好きな人に身も心も奪われて、その腕の中に落ちて、、」というハワイの歌特有の カオナ (二重の意味―主に性的描写) と思われます。
 

燃え盛る炎のように身を焦がす
Me he ahi ke kukuni lā

あなたに捕らえられ
Ke kiʻina a ka ipo

とめどなく愛が溢れる、、
Hōʻale nei ke aloha lā

といった感じですね 🙂
 

また、カオナと言えば、1番で出てくる Kuʻu lei o ka pō (僕の愛しい夜の花 )の Lei は、愛する人を揶揄した言葉で、「夜の花」とは、夜を彩ってくれる(すなわち肉体的な関係も示唆しての)愛しい相手のことを意味し、シンプルな語句にカオナを含ませたとても官能的な表現になっていて、そのまま日本語でもカオナとして使えるので、敢えて「愛しい夜の花(またはレイ)」と直訳しています。

性におおらかなハワイアン らしいこの カオナ、作者と詠われた人の間だけでなく、それを歌う人、聴く人にもその様々な意味合いが楽しめるといいですね(o^.^)v
 

ところで、今回もなるだけ英訳に沿うよう訳していますが、基本はハワイ語からの直訳(意訳)です。
特に2、3番は、短い単語だけを重ねた意味深い表現が多く見られ(ハワイ語がとても 詩的な言語 とされる由縁ですね)、このため英訳にもかなりの意訳が見られますし、様々な表現が可能です(言っていることは同じですよ!)

なので ハウマーナ・フラ さんは、英訳や日本語訳の言葉そのものでなく、何を言っているのか(どういう状況でどういう気持ちを歌っているのか)だけを読み取り、あとは自分自身の言葉にして踊るようにしてみて下さいね(o^.^)v 


エピリマイを踊ったマナラニイングリッシュさんの演技はこちらから → 2013年ミスアロハフラ
 

こぼれ話:マカナ山とオーアヒ

では最後に、マカナ山とオーアヒにまつわる話を💡

マカナ山は、1958年の映画サウスパシフィックで バリハイ という名前で登場したことから、今では地元の人にもその名前で親しまれています。

この山が位置するカウアイ島ノースショアのハーエナ (Hāʻena) は、現在は州のビーチパークとなっていて観光でも人気スポットとなっていますが、元々ペレにまつわる神話や、フラの神ラカ を祀ったヘイアウ(神殿)が今でも存在するなど、ハワイの歴史上も名高く、また フラにとてもゆかりのある地 です。
※昨年の大洪水の影響で2019年5月現在はアクセスできません。

また、オーアヒの祭事は、マカナ山の少し西に位置する カマイレの断崖 でも行われていましたが、民間人だけで行う(王族なしでの)ハーラウ・フラのウニキ・セレモニーは、このマカナ山のみに限られていたそうです。

ちなみに、マカナ山での最後のオーアヒは、1860年 クイーン・エマ の来訪時とされていますが、この時クイーンに同行した西洋人の宣教師の記述によると、当時の人々は背中に直径5-6センチ、長さ3メートルもある haupāpala の薪木を背負いながら、手ぶらながら命がけで登っていた彼を横目に、ほぼ直角になった崖を すいすい〜と登っていったそうです。

そして実は、2、3年前にこのマカナで火事騒ぎがあったのですが、なんとこれは、古代ポリネシアの航海技術再現を図る ホークーレア号 (Hōkūleʻa)の歓迎のために、島の住民がこのオーアヒを決行し、火が逆風で崖に飛び移ったことが原因だったそうです (^^;)

オーアヒには、当時の人々の登山テクニックだけでなく、古代航海技術のような潮風を読む勘も、必要だったという事ですね(o^.^)v

それでは、mele mau kākou! 🙂
 

*1 リンジー木村氏は言語学者ではありませんが、70年代からのハワイ語とハワイの伝統におけるルネッサンスの指導者的存在であり、ハワイ大学でも教鞭をとるなど、今日のハワイ語の存続に多大な貢献を果たした人です。
*2 ラリー木村氏を My uncle と呼ばれていますが、ハワイでは遠縁の親族にも使うため、実際に叔父にあたるのかが筆者には不明です。

**メレ集 ~He Mele Nou~**
 

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